2023-10-18 (Wed)
09:28
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減塩しても脳卒中や心筋梗塞の予防効果なし
高血圧と診断されてもいないのに減塩を意識し食事に気をつけている人も多いかと思います。
減塩は高血圧の予防に良いとされているのですが、残念ながらその効果はありません。
減塩はエビデンスもないのに長年推奨されてきたのです。
世界保健機関のWHOも減塩を勧めています。
WHOの目標は1日5gです。
その一方で厚生労働省は成人男性で1日7.5g、女性で6.5gを基準としています。
しかし、実際には日本人は平均として1日10.1gの塩分を摂っています。
ここで不思議なことが全世界で塩分を減らせと言っている中で日本人はたくさんの塩分を摂っています。
それにも関わらず、長生きなのです。
冷蔵庫のない時代には、色々な食べ物を塩漬けにしてきました。
塩分摂取は今とは比較にならない程多かったのですが、高血圧が注目されたのはここ最近です。
冷蔵庫がない時代では、飢餓や感染症の脅威が強く、人は心筋梗塞や脳卒中になる年齢を迎える前に死んでしまっていました。
1950年代、日本のある地域では1人で1日27gの塩を食べていました。
その時代から少しずつ塩分摂取は減っていきました。
しかし、脳血管疾患による死亡率を見てみると60年代に死亡率が上がっています。
高血圧の人の数も減っていないのに、データを見る限り減塩で高血圧や脳血管疾患を防げるとはとても思えません。
最近、高血圧と塩の関係について過去の研究データを全て集めて検証するという大掛かりな取り組みが行われました。
これによるとアジア人でもともとの血圧が高くなければ、塩分を減らしても血圧は下がらないという結果が出ました。
つまり、減塩をしても意味がないということです。
ですが、高血圧と診断された人が減塩すると7mmHgくらい血圧が下がるという結果でした。
それなら減塩は効果があると思う人もいるかもしれません。
ただ血圧測定の習慣がある人なら分かるかと思うのですが、血圧は常に上下します。
部屋が寒くても上がりますし、少し動いた時でも上がります。
2回連続で測定しても5mmHgとか10mmHgの差が出ることもあります。
減塩の効果とされる7mmHgは誤差のようなものと言えるのです。
減塩による血圧を下げる効果は、かなり小さく本来の目的になりません。
本来の目的とは、高血圧が引き起こすとされる脳卒中や心筋梗塞を減らして長生きできるかどうかです。
その観点で見た同様のデータもあるのですが、塩分を減らしたことで脳卒中、心筋梗塞を予防する効果は確認することができませんでした。
また、降圧薬を服用しても脳卒中や心筋梗塞が先送りになるだけです。
減塩しても少しだけしか血圧は下がらないなら、降圧薬よりもその効果はさらに小さくなります。
なので、高血圧の人が減塩しても病気を防ぐことはできないのです。
減塩には、意味がないと言えます。
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