2023-10-16 (Mon)
16:06
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血圧を下げる薬はほぼ意味なし
血圧を下げる薬の試験では、血圧を下げれば心筋梗塞や脳卒中の確率を下げることが証明されています。
ここで確認しておきたいことが「確立を下げる」の意味です。
研究した期間に病気にならなかったとしてもさらに長い目で見ればどうしても病気になります。
病気にならない方がもちろん良いのですが、ガンや脳卒中、心筋梗塞は自然に起る老化現象とも言えます。
歳を重ねれば誰しも罹ってしまう病気なのです。
その意味で降圧薬の服用は病気を先送りにするだけになります。
アメリカの学会が提供するASCVD Risk Estimatorというサイトがあります。
血圧や年齢、喫煙歴などを入力すると10年以内に脳卒中や心筋梗塞になる確率を教えてくれます。
ただこの計算は、主に白人のデータを基に作られています。
アジア人のどのくらいが当てはまるか分かりませんが、ここで出た確率を下げるのが降圧薬の役割と言えます。
高血圧の基準は、1959年にWHOの報告書で正常血圧と高血圧の人間に明確な境界線はないとしながらも160/95mmHgとしています。
その後、血圧を下げる利尿薬が登場し70年代から80年代に降圧薬を使うようになりました。
薬ができたから使うようになっていきました。
血圧を下げると果たしてどんな効果があるかエビデンスがない状態で降圧薬が広まったのです。
その後、93年にアメリカが高血圧の基準を140/90mmHgにしました。
理由は、臨床データを基に脳卒中や心筋梗塞を防げると考えたからです。
では、血圧を下げるとどのくらい防ぐことができるのでしょうか。
降圧薬の研究では、血圧を下げなかった場合、1年あたり心筋梗塞や脳卒中になる人が3.2%いました。
血圧を下げるとこれが2.6%に減りました。
その差は0.6%です。
つまり、99.4%の人は血圧を下げても下げなくても結果は変らなかったと言うことです。
この数字をどう捉えるかは、個人によるかと思います。
血圧と脳卒中や心筋梗塞の関係性について似たデータがもうひとつあります。
脳卒中や心筋梗塞のリスクが高い人から低い人を4段階にグループ分けをし、それぞれのグループで病気をどれくらい減らせたのか調査した論文があります。
その結果、もっともリスクが低いグループでは血圧を下げないと6%の人が病気になり、下げても4.6%の人が病気になりました。
血圧を下げると病気になる確率が1.4%減りました。
反対に言えば、残りの98.6%の人が血圧が高いままだろうが、下げようが変わらなかったことになります。
降圧薬を服用したら死ぬまで飲み続けないといけないと思っている人も多いようです。
もちろん長期間薬を服用すれば、血圧が低い状態を維持できることでしょう。
医師からすれば、重い病気や死亡リスクを考えて飲み続けないといけないというような言い方になるのではないでしょうか。
しかし、医師が何と言おうが最終的に服用するかどうかは患者本人の考えです。
服用をやめるのも自由なのです。
やめれば薬代と病院に行く時間、もしかしたら薬の副作用と何よりも自分は病気だから管理されていないといけないという思い込みから解放されるかもしれません。
ここで考えてもらいたいことは健康寿命と寿命です。
寝たきりや介護が必要な状況にならないで日常生活を送れる期間を健康寿命と言います。
これを延ばしたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
しかし、健康寿命が延びれば普通はその分、寿命も延びます。
健康寿命だけ延ばしたいと思うかもしれませんが、それは幻想と言えるかもしれません。
寝たきりや要介護になることは、ほぼ避けることができないと考えるべきかもしれません。
降圧薬を服用する場合、そうした前提に立って先送りにするかどうかを検討するといいのではないでしょうか。
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