2023-10-04 (Wed)
08:24
✎
絶対に読まない本、関心のない本を読む
本を読むことで私たちは、異なる環境に身を置くのと同じような体験を手軽に疑似体験することができます。
最もいいのが、普段の自分であれば絶対に読まない本、関心のない本を読んでみることです。
できるだけ自分とは違う分野、考えが違う著者の本、これまで関心を持っていなかったジャンルの本にあえて触れていくのです。
何かの本を読もうと考える時、仕事や勉強など必要に迫られない限り手に取るのは、元々関心のあったジャンルや好みの作者の作品である場合が大半ではないでしょうか。
書籍通販サイトを見ていても「あなたへのおススメ」として表示されるのは、読んだことのある著者の作品や同じ本を購入したユーザー、つまり似たような好みを持つ人々が買った本ばかりになります。
なのであえて自分が絶対に読まないであろう本を読んでみるのです。
違う性別、経験、全く関心のなかったジャンルやテーマ、この著者の言うことは気に入らないと思っている人をあえて読んでみましょう。
本はよくできたツールです。
その著者が記したような内容を本人から聞こうとするのはとても大変です。
まず本人に会うことからしないといけませんし、かなりの労力がかかるかと思います。
さらには、著者が存命でなければ、そもそも会うことすらできません。
しかし、本を利用すれば、そんなハードルを越えて著者の思想の深いところまでアクセスすることができます。
また、どうしても会わないと感じたら途中で読むのをやめてもいいのです。
本人が目の前にいるわけではないので、角も立ちません。
オーストラリア国立大学と米ネバタ大学の研究者たちが、2011~2015年に世界31の国や地域で25~65歳の16万人を対象に調査した国際成人力調査のデータを分析したところ、読み書きや数学のテストの成績は、16歳ころに家庭にあった蔵書数と相関があるという結果が得られたとのことです。
なぜこのようなデータが出たのかはよく分かりません。
しかし、親をはじめとするその家庭の人々が使用するボキャブラリーの豊かさと複数の価値観に常に触れていることが子供の知能発達に深く関係をしているのではないでしょうか。
「この世には色々な考え方ある」という意識を早くから持てた子供のほうが脳が発達する時期をより有意義に過ごすことができたと考えることができます。
- 関連記事
-
- 経験で脳は進化していく、考え方などは変えることができる
- バイアスのズレが友情をぶち壊し、簡単に争いが生じる
- 脳の衰えのサイン「昔はよかった」
- 脳は加齢によって保守化する
- 日本では考える人は使えない人にされる
- バイアスは脳の手抜き、一元的な処理をしている
- 遺伝子で支持政党が決まっているのかもしれない
- 学校では従順な優等生が優遇される日本、天才児は排除される
- 脳の成人年齢は30歳前後、どうキープしていくかが重要
- 正義に溺れるのは人間の宿命、正義中毒は多様性を狭める
- あえて不安定で過酷な環境に身を置く
- 誰でもの正義中毒になってしまう可能性がある
- 社会心理学「ステレオタイプ脅威」
- 日本人は議論ができない、否定するだけで議論になっていない
- 前頭前野を働かせるには安易なレッテル貼りはしない
スポンサーリンク
↻2023-10-04