2023-07-28 (Fri)
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経験で進化する脳
人間を含め、生物の遺伝的な性質の進化、あるいは退化には何世代もの時間を必要とします。
ですが、個々の人間の性格や考え方、集団の振る舞い方、世論や社会常識のようなものは、世代を経なくても変えることができます。
これは、前頭前野の持つ大きなメリットの一つで、他人や周囲の影響を受けながら振る舞いを一世代で変えることができます。
人間の脳には、自らの構造を観察して、フィードバックを得て自らを変えていく機能を持っています。
つまり、脳自体が自分の働きを一つ上の層から俯瞰することができて「自分にはこういう傾向があるから今度はこうしよう」というように修正をすることができます。
これは生存戦略上、大きなアドバンテージになります。
私たちはこの働きの高い人を「頭がいい」と形容するようです。
その一方でこれは、前頭前野が担っている機能なので加齢とともにやがて働きが衰えていき行動を変えにくくなっていきます。
これによって頑固で保守的な考えになったように見えることもあります。
もちろんこの機能にも個人差があります。
単純に高機能なら良いのかというとそういうわけでもありません。
この機能が高すぎると今度は調整し過ぎてややこしいことになってしまうこともあります。
どこまでが適切なのかはよく分かりません。
ただどんな資質でも極端に振れ過ぎてしまうと人は生きづらさを感じるようになっていくようです。
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