2023-05-17 (Wed)
13:06
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仮説にすぎない健康神話
「〇〇を食べると身体に良い」というような謳い文句はよく目にするのではないでしょうか。
例えば、夏が近づくと「夏バテには豚肉が良い」などをよく見かけると思います。
では、実際にこれは本当なのでしょうか。
豚肉に含まれる栄養素が血液中のアルブミンなどに影響を与えるというエビデンスは実際にあります。
そして、アルブミンが増えると疲労回復の効果があるというエビデンスもあります。
そこから「豚肉が疲労回復に効果がある」というような仮説が出てきます。
しかし、これは理論上正しくても、あくまで仮説にすぎません。
これを検証して関連性が確認することができればエビデンスとなりますが、現状は豚肉と疲労回復を実証するエビデンスはないようです。
ですが、〇〇を食べると健康に良いと単純化したほうが多くの人は興味を持ちます。
つまり、売り上げを伸ばすのにとても効果的なのです。
複雑な事柄を単純に結論付ける方法は、還元主義と呼ばれています。
日本は、外国に比べて情報リテラシーの度合いが低いように感じます。
テレビで納豆は身体に良いと放送されれば、翌日スーパーから納豆が消えるなどがありましたが、海外ではこのようなことはほとんどありません。
日本人は、特にテレビの情報に非常に弱く誘導されやすいと言えます。
コロナについても同じことが言えるのではないでしょうか。
身体に良いという情報を見たら、まず対象(誰に)、理由(なぜ?)、定義(具体的に何か)、そして情報源の確認をしましょう。
情報に踊らされない為には、提供されている情報に疑問を持って自分で考えてみる姿勢が大切です。
人間の健康は、身体や環境などの要素が複雑に絡み合っています。
食事の効果は、特定の食品一つに由来するとは限りません。
食べ物の組み合わせやタイミング、調理法や食事を摂る環境などに影響を受けている可能性もあります。
エビデンスを確かめつつ、視野を広く持つことが大切です。
また、エビデンスにはエビデンスレベルがあります。
そのエビデンスの信頼度のレベルはどうなのかも考える必要がありますし、エビデンスは何年もすれば覆ることも普通にあるので、エビデンスを信じ切ってしまうのも危険かもしれません。
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