2023-05-04 (Thu)
08:45
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加齢が脳を保守化させている
できることなら自分たちと違う考え方を持っている人たちを尊重し、お互いを認め合っていく社会がいいものです。
ですが、これは脳科学的に非常に難しい問題のようです。
どのような相手に対しても共感的に振る舞い、人間として尊重して認めていくという機能はとても高度なものだからです。
これは前頭葉の眼窩前頭皮質で行われています。
ここは、25~30歳くらいにならないと成熟しません。
そして、しっかりと発達させる為には、相応の刺激、つまり教育が必要になります。
また、重要な部分なのにアルコール摂取や寝不足などで簡単に機能が低下してしまいます。
しかも、その機能が得られるまで人生の3分の1にも及ぶ長い時間がかかるのに、衰えてしまうのはとても早いのです。
例えば、ニュースなどで見る、いわゆるキレる老人を典型的なパターンとして思い描いてもらえると分かりやすいと思います。
老人が相手に有無を言わせず自分の論理だけを信じて直情怪行的に行動してしまうのは、前頭葉の背外側前頭前野が衰えているかもしれません。
一般的に加齢に伴って思考が保守化すると言われていますが、同じ理由で説明ができます。
実際は、脳が老化したから保守化したということが疑われているのです。
ここでの保守化は、政治思想的な保守ではなく、自分が元から持っていた思考の傾向がより鈍化され、それ以外の意見は自動的に棄却される確証バイアスが働いて、さらに思考が硬直化していくイメージです。
老化と共に自らの所属している集団の論理しか受け付けなくなってしまうのです。
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