2023-04-15 (Sat)
09:07
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乳酸はグルコースを分解する過程で生成される糖の仲間
乳酸と言えば疲労物質というイメージを未だに多くの人が持っているのではないでしょうか。
ですが、「乳酸=疲労物質=悪者」と言われていたのも今では昔の話です。
現在では、乳酸は疲労の原因ではなくて、疲労をするような運動をした結果としてできるものとされています。
そして、乳酸は運動中のエネルギーを作り出す働きを持っていることも分かっています。
乳酸と聞くと名前に酸の文字が入っているので、アシッド(酸)のイメージが強いかもしれませんが、実は乳酸は糖です。
私たちは、筋肉を動かす為に糖や脂肪を分解してエネルギー源であるATPを合成します。
糖と脂肪では、糖のほうが素早く分解できるので運動時にはよく使われます。
糖は、血中にあれば血糖、筋肉にあればグリコーゲンと呼ばれています。
これらの糖を分解する時に、その過程で生産されるのが乳酸になります。
糖は最終的にピルビン酸にまで分解されますが、その過程で生成された乳酸は筋肉中でいっぱいになると血液中に染み出してきます。
通常、糖は細胞の中から外へは、ほぼ出ないのですが、乳酸は容易に出ることができてしまいます。
これによって運動時には、血中乳酸濃度が上昇してきます。
糖を分解してエネルギー源であるATPを作れば作るほどたくさんの乳酸が生成されるのです。
そして、その状態が長く続くと血液中の乳酸濃度が高くなる、ということになります。
運動後に血中乳酸濃度を測定することで、その運動でどのくらいエネルギーを使ったのか、どのくらいの負荷だったのかが分かります。
乳酸は、運動の強度と密接な関係があります。
運動強度を上げていくと乳酸値もそれに伴って上昇していきます。
ただし、乳酸は心拍数のように直線的に上昇するのではなく、ある一定の強度まではなだらかに上がっていきます。
運動強度が60~75%から一気に上昇していきます。
血中乳酸濃度が急激に上昇する運動強度を乳酸性作業閾値(LT)と言います。
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