2023-03-23 (Thu)
14:51
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正しさよりも仲間内の正義を優先する人々
人は誰でも、自らを律していなければ身内に甘く、それ以外の他人は厳しい態度を取るようになってしまうことが多々あります。
これは内集団バイアスになります。
自分が所属する集団内の人物については評価が甘く、集団外にいる人物には厳しくなるというバイアスです。
例えば、政治的に敵対しているAとBの勢力があったとして、Aの有名な政治家が論理的に悪いとされるようなことをして報道されたどうなるでしょうか。
Bの人たちにとっては格好のネタになり一斉に攻撃を始めるのではないでしょうか。
なぜ攻撃をするのか、これは集団外の人物のことだからです。
「政治家の資質があるのか」「説明責任を果たせ」などよく聞くフレーズを駆使して責め立てることでしょう。
では、同じことをBの政治家がした場合は、Bの人々の反応はどうでしょうか。
「それが政治家の能力に関係があるのか」「この程度で政治生命を絶たれてしまうのは惜しい」「そんなことよりも本質的な議論をしたほうがいいだろ」などと言うではないでしょうか。
また、ある集団において正しいとされていること以外は受容することができず無視してしまう現象も説明することができます。
2014年、筋委縮性側索硬化症(ALS)の研究を支援することを目的としたアイス・バケツ・チャレンジが話題になりました。
各界の著名人がこぞってチャレンジし、その様子がSNSで大きな話題になりました。
するとこのムーブメントを支持する人と、しない人がツイッター上で舌戦を繰り広げるようになったのです。
氷水をかぶってSNSにアップロードする行為が本当にALS患者の為になるのか、ただの売名行為だ、という反対意見と、それは違う、有名人がやるから支援が広がるのだ、といったような賛成意見の対立です。
そんな中、あるALS患者本人によって感謝のコメントがツイートされました。
しかし、この運動に反対意見を持つ人は当該ツイートをリツイートせず、せっかくの当事者からの貴重な声にも関わらず無視されてしまったのです。
当事者が「役に立っているので感謝している」と言っている以上、患者の役に立っているのかについては結論が出ています。
これによって収束しそうなものですが、反対派にとっては自分たちの存在意義を根本から崩すコメントなので受け入れることが難しくなってしまうのです。
さらには、自集団内で自集団の存続に不利になるような行動をとると裏切り者などと排除されて、厳しい攻撃にあってしまいかねないのでそうした行動をとれないという事情も生起しています。
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