2022-12-18 (Sun)
10:44
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集団の維持こそが正義
哺乳類の中で、多くの種が個体としての脆弱性を補う為に集団を形成する方法をとっています。
特に人間では、その特性がより顕著になっています。
なので集団正義を取りやすい性質になっています。
そして、なぜかこうした別々の集団は、お互いに対立をしやすくもなります。
集団正義とは、自己の所属している集団が集団であり続けることこそが正義と言うものです。
ことによっては、その他の倫理観が全てオプションになってしまう程の強い優先度があります。
これは自分好みの正義があるので、その集団に属していると言うわけでもありません。
集団の一員であること自体が生物としての安全性を高め、生活の効率を高める為の武器になります。
ですので集団の所属と所属した集団の維持そのものが最優先の目的になっているのです。
何があろうと所属している集団が継続できること、そして集団の存続を脅かすものから集団を守ることこそが正義であり、それ以外に優先すべきことはないということになるのです。
集団の正義とは、集団を守り、集団を継続させる為に適するか、不適かによって判断された決まりごとの集積です。
人間は集団で生きることにたけた生物であり、それに成功をしたからこそ発展してきたと言えます。
長い物には巻かれると言う行為そのものが実は自然で正しいことを、私たちは暗黙のうちに知っているのでしょう。
ほとんどのケースでそのように振る舞っているのではないでしょうか。
その中で、ある個人が集団であり続けるのを否定することは、このよう流れと矛盾し混乱を生んでしまうので、摩擦が起こりやすくなってしまうのです。
人間は、遺伝子レベルではチンパンジーと98%以上同じです。
残りの2%程度異なったのが前頭前野の大幅な発達の要因となっています。
これによって知識や複雑な言語体系を構築させて、人間に特徴的な能力を身に付けました。
特に注目すべきことが集団であること、社会性の強化、複雑化の為に使う能力です。
集団の中では正義を体系化してルール化して、社会性を高めてきたのが人類の進化の歴史であったことが分かると思います。
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