2022-10-19 (Wed)
08:55
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数字に騙されてはいけない
骨粗鬆症の新薬の治験が行われて次のような結果が出ました。
・100人に1人は骨折を免れる
・骨折するリスクが2%から1%になる
・骨折するリスクが50%減る
あなたは、これらのうちどの効果が一番高いと思いますか。
おそらく「骨折するリスクが50%減る」が一番効果が高いと思う人が多いのではないでしょうか。
実はこれら3つは全て同じことを言っています。
この薬を飲まなかった100人のうち骨折したのは2人だった。
飲んだ100人のうち骨折したのは1人だった。
100人中2人から1人になったので、100人に1人は骨折を免れたのです。
これを%で示すと、100人中2人が1人になったので骨折するリスクが2%から1%になると言えます。
また、100人中2人が1人になる、半分になったと言えるので、骨折するリスクが50%減ったと言うこともできます。
これらは全て同じことを言っているのですが、印象はずいぶんと違うのではないでしょうか。
一番効果が出ている感じがするのは、骨折するリスクが50%減った、ではないでしょうか。
よく考えてみると100人中2人だった罹患率が1人になったと言うのは大きな効果ではありません。
つまり「薬を飲んでも飲まなくても骨折するリスクはあまり変わらない」と見ることもできます。
これは、言葉のマジックと言えるでしょう。
骨折するリスクが50%減ると言われれば、その薬を飲めば全世界で骨折するお年寄りが半減するかのように思えてしまうのではないでしょうか。
ちなみに骨折するリスクが50%減ると言う文章は、フォサマックという骨粗鬆症治療薬の承認に実際に示された治験データです。
製薬会社はこのように日々、言葉のトリックや複雑な式を用いるなどあの手この手で高い効果を謳ったレポートとともに新薬を発表したり、紹介したりしています。
捏造ではないですが、巧妙な数字のトリックがまかり通ってしまい、製薬会社の思いのままになってしまっているのが薬業界の現状と言えます。
私たちは、そのトリックに騙されないようにしないといけません。
薬の効果は誇張されているのではないかと常に疑いを持ち冷静に考える必要があります。
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