2022-10-09 (Sun)
09:51
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お互いバカにしあう不毛な社会
SNSで頻繁に飛び交っている正義中毒者が頻繁に使う言葉は、「バカ」ではないでしょうか。
これは自分が絶対に正しいと言う過剰な思い込みからきています。
自分と違う意見を持つ他人をバカと決めつけて攻撃を加えているのです。
災害時などによく見られる不謹慎叩きや芸能人の不倫叩きもこうした見方をすれば正義中毒者の暴徒として見ることができます。
ネット時代になり誰でも気軽に参加ができるSNSの普及によって私たちは、正義中毒にかかりやすくなったのではないでしょうか。
また、全世界に公開されることになってしまったので、誰がバカなのか、誰が自分よりも劣っているのかを常に気にし続けなければならない状況になったと言えます。
自分がバカだと思われることを恐れて自分がターゲットにならないようにパッシブに他人を叩く行為に加担をする、もしくはスルーして助けないと言うような状況が見られるようになったのです。
これは自分がイジメのターゲットにならないようにイジメに加担する構造とよく似ています。
1984年ニュージーランド・オタゴ大学のジェームズ・フリンが提唱したところでは、人類は20世紀以降知能指数を年々向上させていると言われます。
1932年と1978年のIQを比較すると13.8ポイント高くなっていて1年に0.3ポイントずつ上昇していくというのです。
これはフリン効果と呼ばれています。
栄養状態の改善や情報、知識を得る為のツールの充実によって人は着実に知能が上がっているのです。
人類の知能は着実に上昇をしている、それなのにお互いをけなし合い不毛に消耗し合う正義中毒がどんどん重篤になっているのです。
これは、なんとも皮肉な話ではないでしょうか。
もともと人間も動物と同じで、ただ生まれて、食べて育ち、起きて寝て、子を産んで、育てて死んでいくだけの存在です。
なのに脳を発達させ過ぎてしまったせいで、苦しむようになったのです。
お互いをバカと決めつけ解決しようのない、解決をしようとする気もない争いを続けているのが人間の特徴なのかもしれません。
だとしたら地球上で最も悲しい生物と言えるのかもしれません。
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