2022-10-01 (Sat)
10:14
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他人を許せないのは、もはや中毒
あなたはどんな時に人を「許せない」と思いますか。
例えば、恋人や配偶者が浮気をしていた、上司からパワハラやセクハラを受けた、信頼していた人から裏切られた
多くの人は、このような経験をした時に「許せない」と言う感情が湧いてくるのでではないでしょうか。
ここでの「許せない」と言う感情は、自分や自分の近くにいる人が何らかの被害を受けたことに対する感情です。
なので強い怒りが湧いてくるのは当たり前のことです。
では、次のような場合はどうでしょうか。
清純な優等生キャラで売れていた女性タレントが不倫をしていた
飲食店のアルバイト店員が悪ふざけの動画をSNSに投稿をしていた
大手有名企業がCMで差別的な発言をしていた
あなたは、この場合も「許せない」と言う感情が込み上げてきますか。
もちろん、不倫は法律上してはいけないことではありますし、お店の営業妨害になるようなことをすれば刑事罰になることもありますし、CMなどで差別するような表現も問題があるでしょう。
ですが、自分や自分の身近な人が直接不利益を受けたわけでもなく、当事者と関係があるわけでもありません。
なのに強い怒りや憎しみの感情が湧いて何も相手のことを知らないのに攻撃的な言葉を浴びせて、叩きのめさずにいられなくなってしまう場合は、許せないが暴走している状態と言えます。
実は、私たちはこのような状態に簡単に陥ってしまう性質を持っているのです。
人の脳は、裏切り者や社会のルールから外れた人と言うような分かりやすい攻撃対象を見つけ出して罰を与えることに快感を覚えるようにできているからです。
他人に「正義の制裁」を加えると脳の快楽中枢が刺激されてドーパミンと言う快楽物質が出ます。
これは依存症と同じで、この快楽にハマってしまうとそう簡単に抜け出せなくなってしまいます。
罰を与える対象を常に探して、決して人を許せないようになってしまいます。
このような状態は、もはや中毒と同じなので正義中毒と言っていいでしょう。
ギャンブルやアルコールなどの依存症とほとんど同じ構造なのです。
間違ったことが許せない
間違っている人を徹底的に罰しなければいけない
自分は正しい、相手が間違っているからどんなにひどい言葉をぶつけてもいい
このような思考パターンが生じると止められなくなる状態は非常に怖いと言えます。
人に本来備わっているはずの冷静さや自制心、思いやり、共感性などは消えてしまっている状態であり、普段のその人からは考えられないような攻撃的な人格に変貌をしてしまうからです。
特に対象者が不倫スキャンダルのような分かりやすい失態をさらされている場合、そして自分がいくら攻撃をしても立場が脅かされる心配がない状況であれば、正義を振りかざす格好の機械となるのです。
あなたは、正義中毒になっていませんか。
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