2022-08-30 (Tue)
10:27
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裁判でモンサントに賠償金が課せられた
グリホサートを含むラウンドアップは、これまで「食卓塩よりも安全」などと言った宣伝で大量に使われてきました。
ですが、2015年WHOの外部研究機関である国際ガン研究機関が「グリホサートはヒトに対しておそらく発ガン性がある」とし、発ガン性リスクを五段階のうち二番目に高い危険度で示したのです。
これに対して、欧州食品安全機関や米国環境保護庁は発ガン性を否定しました。
混乱状態が続きましたが、2017年にカリフォルニア州がグリホサートを発ガン性物質のリストに加えるとその流れが変わり始めてきました。
2019年には、発ガン性を否定した欧州食品安全機関が再評価を行うと発表しました。
さらにアメリカ健康福祉社の有害物質・疾病登録局がグリホサート曝露と「非ホジキンリンパ腫」の関係は否定できないと発ガン性を認めました。
そして、訴訟の流れも変わりました。
末期の非ホジキンリンパ腫と診断された学校用務員のドウェイン・ジョンソン氏が2016年、原因はかつて校庭整備の仕事で使っていたラウンドアップにあるとしてモンサントを訴えました。
2018年に開かれた裁判で同社に約2億9000万ドルの賠償金が課せられました。
翌年には、別の裁判で約8000万ドル、その2ヶ月後に約20億ドルの賠償金の支払いを命じられドミノ倒しのように敗訴しています。
この裁判に強い関心を持ち、アメリカに行きジョンソン氏や弁護団に会ってきた元農水相の山田正彦氏はこのように言っています。
「本人への賠償金は約4000万ドルでしたが、悪質かつ詐欺的な行為に対する懲罰的賠償金と言うことです。裁判で大きかったのは、モンサントの内部機密文章が出てきたこと。向こうの弁護士から資料を全部提供すると言われて見せてもらいました。そこには、ラウンドアップの危険性を研究していたフランスのセラリーニ教授に対する学術論文の取り消し工作やラウンドアップがガンを引き起こす可能性をモンサントが数十年に渡って認識をしていたこと。ラウンドアップの安全性を証明するのに社員が論文をゴーストライトし、お金を払って外部の学者の名前で発表をしていたことなどが書かれていました。これをきっかけに次々と裁判が起こり今では5万件を超えています。」
現在、この裁判で提出された内部資料のうち、機密解除された文章はモンサント・ペーパーとして公開されています。
それを見るとグリホサートの安全性テストは、グリホサートだけで行いラウンドアップでは行わなかったことを認めるなどの内容です。
モンサント裁判は今も続いています。
2020年6月、親会社であるドイツのバイエルは、裁判中の三件を除く原告の大半と109億ドルで和解に合意したと発表しています。
ですが、訴訟で問題にされたラウンドアップの発ガン性については責任を負わず、今後も販売を継続すると言うことです。
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農薬残留基準値を日本は大幅に緩和、モンサント賠償金、日本は農薬のゴミ捨て場にされる
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