2022-07-07 (Thu)
11:58
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ネオニコによる不妊リスク
環境省によると2020年9月時点で推定458羽のトキが野生で暮らしているとのことです。
農薬の毒性について長年研究を続けてきた神戸大学の星信彦教授によると農薬がトキの繁殖能力に直接影響を与えている可能性があるとのことです。
天然記念物で実験をするわけにはいかないのでウズラで実験を行いました。
水田で使われるクロチアニジンと言うネオニコチノイド系農薬で実験をしました。
鳥の無毒性量は誰も調べていないので、ラットの無毒性量を参考にさらに3分の1から3000分の1の量を6週間与えました。
その結果、オスの精巣を顕微鏡で見てみるとDNAが壊れていてたくさんの細胞が死んでいました。
私たちは酸素がないと生きていけませんが、普通に呼吸するだけでも活性酸素が作られます。
生物にとって活性酸素は猛毒で遺伝子を傷つけます。
私たちの身体には、活性酸素から守る為に抗酸化酵素と言うものがあり、この酵素によって体内を活性酸素から守っています。
ですが、ネオニコを投与すると抗酸化酵素が著しく減少をするのです。
抗酸化酵素が減少すれば、活性酸素の影響を受けやすくなり、生殖細胞に影響が出てしまったと考えられます。
活性酸素は細胞のガン化を促進する元凶とも言われています。
放射線を浴びてガンになるのは、放射線がDNAを壊すだけでなく、体内の水を活性酸素に変化させてDNAを傷つけると言われています。
もちろん修復遺伝子が働いて修復をしますが、傷が多過ぎると追いつかなくなってしまいガン化していくことになります。
ネオニコが抗酸化酵素を減少させることが、もし人間にも当てはまるとしたらガンだけでなく健康への影響も大きいと言えるのではないでしょうか。
さらにネオニコの影響が出たのはオスだけでなく、メスにも影響していました。
メスには卵の中の赤ちゃんを育てる為のホルモンを出す細胞がりますが、これが死んでしまいます。
その結果、産卵率が下がります。
星氏は、ネオニコがトキの繁殖能力に影響を及ぼしていたことに衝撃を受けたそうです。
それもごくわずかな少量で不妊になっていたのです。
トキに野生復帰を島作りに活かそうと考えていた佐渡市は驚き、それまで使っていた農薬を減らそうと決断をしました。
当時、環境省の首席自然保護管として佐渡にいた長田啓氏はこう言っています。
「兵庫県の富岡氏がコウノトリを野生復帰させる時、水田の何割か無農薬にすると言う高いハードルを設けました。
佐渡氏では、いきなり無農薬・無化学肥料ではハードルが高すぎると言うことで農家が取り組みやすいように農薬と化学肥料を5割減にすることからスタートしました。そして、そのいずれかを満たせばトキの認証米として販売できる仕組みを作りました。もちろんそれだけでなく、水田に魚道をつけるとか、ビオトーブの設置、冬期でも湛水して生き物を育む農法などを導入して環境を整えるといった努力をしました。今はJA佐渡でネオニコチノイド系農薬は取り扱っていないはずです。」
そして、2012年ようやく自然の中でトキのヒナが誕生します。
その翌年はネオニコチノイド系農薬の使用がほぼゼロになったといいます。
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