2022-05-29 (Sun)
10:57
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一見正しいルールにも害がある
長年抱えてきた自分のスキーマに気が付いたらそれが本当に妥当なものなのかどうかを検証してみましょう。
スキーマの中には、一見正しく合理的に見えるものがたくさんあります。
例えば「常に業績を上げないといけない」などはその典型になります。
しかし現実的には、常に業績を上げる続けることは不可能なことです。
市場や景気によっても業績が落ちたり病気で働けなくなることもあります。
このような時、自分の価値を見失ってしまうとあまりにも辛くなってしまいます。
正しさに拘らずに「自分にとって役立つルールなのかどうか」と言う視点で考えてみましょう。
いつも同じルールだと辛くなるメリットとデメリットを比較しよう
常に業績を上げるべきだと自分を追い込むことで今の地位を得たと言う人もいると思います。
自分にとって何かしらのメリットがあるからスキーマが生まれて、その価値観に沿って生きてきたのでしょう。
まずは、このようなスキーマによるメリットを紙に書いてみましょう。
次に業績が落ちた時に自分が無価値に思えると言うデメリットを書きます。
デメリットは幅広い視点で考えてみましょう。
長期的に見て役立つかと言う視点も大切です。
最後にメリットとデメリットを比較し、自分に役立つルールなのかどうかを検証していきます。
このように書いてみるとスキーマには、たくさんのデメリットがあると言うことに気付けるようになります。
まずは、思いつく限りのメリットとデメリットを書いてみましょう。
また、世の中の価値観を疑ってみることも大切です。
「生活が苦しいのは自己責任」「女性はやせている方が美しい」などと言った歪んだ価値観に従う必要もありません。
柔軟で生きやすいスキーマに書き換えよう
デメリットが多いスキーマを持っていると心が辛くなってしまいます。
なので現実的なスキーマに書き換えていくことが大事です。
新しいルールに必要なのは柔軟性です。
語尾が「○○でなくてはならない」であるなら「○○だとうれしい」「○○にこしたことはない」と言う表現に変えていきます。
「常に」などの表現は使わないようにしていきましょう。
いつもの価値基準から離れられない人は、あなたの人生における最悪の事態を思い浮かべてみてください。
そのような状態でも当てはまるルールこそが柔軟なルールであると言えます。
適応的なスキーマは自尊心を高めてくれる
新しいスキーマは、たいてい以前の場合よりも長い文章になります。
これは物事を多面的に捉えるようになる為です。
現実に即したスキーマを見つけることができると生きることがずっと楽になるはずです。
「完璧ではなくても自分には価値がある」「社会的な成功で人の価値は決まらない」と思えるようになります。
失敗を過度に恐れる傾向も少しずつなくなっていくはずです。
そして、人間関係や行動の幅が広がって自分の価値を実感できる場面も増えていきます。
その結果、新しいスキーマを心から信じられるようになってきます。
新しいスキーマを考える時は、現状を客観的に見直すことが大切です。
時間がかかっても適応的なスキーマを見つけてみましょう。
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