2022-05-10 (Tue)
11:13
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糖質はATPを作るのに必要
筋力トレーニング後にプロテインに糖質をプラスすると良いと聞いたことがあるかと思います。
メディアでも筋力トレーニングの前後にタンパク質と炭水化物を摂取しようと紹介されることもあります。
では、はたして本当にこれは効果的なのでしょうか。
人間のエネルギーを生み出す三大栄養素は、炭水化物、タンパク質、脂質です。
これらは、エネルギー源であるATPを作り出すことができます。
炭水化物は、大きく分けると糖質と食物繊維に分けることができます。
糖質は体内で消化・吸収されますが、食物繊維は消化されずにそのまま体外に排出されます。
消化・吸収で考えれば、炭水化物=糖質になります。
糖質制限ダイエットでお米などの炭水化物の摂取を控えましょうと言われるのはこの為です。
炭水化物に含まれる糖質は、タンパク質と同様に胃や十二指腸を通りながら消化酵素によって分解されて、小腸で単糖類に分解されて吸収されます。
その後、血液に溶け込んで門脈を通って肝臓に運ばれて、エネルギーとして直ぐに使う分は血液中に放出されて、それ以外はグリコーゲンとして蓄えられます。
血液中のグルコース(糖質)が消費されて血糖値が低下してくると蓄えられたグリコーゲンが分解されて、血液中に放出されます。
反対に血糖値が上昇すると膵臓からインスリンが分泌されて、筋肉の細胞内に取り込まれてグリコーゲンとして蓄えられます。
筋肉が収縮するには、筋繊維に含まれているATPの分解が必要になるので、運動を長く続けるには体内で絶え間なくATPを分解してエネルギーを作り出す必要があります。
しかし、ATPは身体に少量しか蓄えることができません。
なので使い果たしてしまうと補充をしないといけません。
筋肉がATPを補充する仕組みは、クレアチンリン酸系、解糖系、有酸素系の3つの方法があります。
重量挙げなど短時間で高強度の運動をする場合、筋肉に含まれるクレアチンリン酸を分解してATPを作り出します。
筋力トレーニングのような1分程度で高~中強度の運動では、筋肉に含まれる糖を分解してATPを作り出します。
クレアチンリン酸系や解糖系は、酸素を使わずにATPを補充することができます。
一方でランニングのような長時間で低強度の有酸素運動では、筋肉に含まれるミトコンドリアが酸素を原料にしてATPを作り出します。
高~中強度になる筋力トレーニングは、短時間に多くのエネルギーが必要となります。
その為、エネルギー源が枯渇しないように筋力トレーニングの前に糖質を摂取することが大切と言われているのです。
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トレーニング後、プロテイン+糖質による筋肥大効果は十分なタンパク質摂取で代替できる
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