2022-04-26 (Tue)
09:28
✎
筋力トレーニングを高めるタンパク質摂取量
筋力トレーニングの効果を高めるには、トレーニング後24時間以内に必須アミノ酸をバランス良く含む良質なタンパク質摂取が重要となります。
では、最適なタンパク質摂取量はどのくらいなのでしょうか。
近年では、1食当たり20gを目安に摂取すると良いなど聞くことがあると思います。
これは一つの目安にはなりますが、老若男女全てに当てはまる最適な摂取量なのかと言われれば疑問があります。
なぜなら現代のスポーツ科学やスポーツ栄養学では「トレーニング後の1食当たりの最適なタンパク質摂取量は、年齢、体重、トレーニング内容によって決まる」と考えられているからです。
2009年カナダ・トロント大学のムーアは、体重の異なる20代の若者と70代の高齢者を集めてレッグエクステンションを行った後に0~40gのタンパク質摂取をさせてタンパク質合成率を計測しました。
その結果、筋タンパク質の合成率が最も高まる摂取量は、年齢と体重によって違うと言うことが分かりました。
また、ムーアらは、この時に得られたデータを解析し、1食当たりの最適なタンパク質の摂取量を考える際に役立つ係数を導き出しています。
20代の若者は体重1㎏あたり平均0.24g(0.18~0.30)
高齢者は体重1㎏あたり平均0.4g(0.21~0.59)
例えば体重60kgの20代の若者がトレーニング後に摂取すべきタンパク質量を計算してみると、係数の平均値0.24g×体重60kg=14.4gとなります。
一方で高齢者は若者の係数より大きくなっています。
これは、加齢によって筋タンパク質の合成能力が低下することが考慮されているからです。
同じ体重60kgでも若者が平均で14.4gに対して、高齢者の場合は24gのタンパク質摂取が必要となります。
高齢者の方が筋力トレーニングの効果を最大限にするには、若者よりも多くのタンパク質を摂取しないといけません。
ムーアらの報告は、被験者が20代と70代に限定されていて30~60代は含まれていません。
タンパク質の合成抵抗性を考えれば、30~60代では20代の若者の摂取量に5~10g程度プラスして計算する必要があると考えられています。
続きはこちら
↓↓↓
- 関連記事
-
- 薬の専門家が薬を決められない日本、個性も病気にさせられているのかも!?
- スポーツ障害の多くは使い過ぎ、適切に休養を取り普段から身体の使い方を意識しよう
- どんなトレーニングをしても筋肉は遅筋化する、サボると速筋繊維が増える
- 両側性トレーニングで左右の筋力バランスが整う、両側性のバイラテラルと一側性のユニラテラル
- 筋力は関節角度によって大きく変わる!大きな筋力を発揮するには姿勢が大事
- 筋肥大をさせるには「強い力を出すこと」「トレーニング容量を増やこと」が重要、70~80%1RMがちょうどマッチしている
- 人工的に硬くした植物油は危険!?パーム油を消費させる為にトランス脂肪酸を悪者にしたのかも
- 輸入小麦にはグリホサートが含まれる、パン、パスタ、お菓子等、加工食品には残留基準値がない
- 栄養素は体内の化学反応の材料でバランスが大事、身体は化学反応の連続
- 風邪は風邪薬では治らない!?胃薬で消化不良になることもある
- 夏場に多い食中毒、予防をする6つのポイント
- カゼインプロテインはゆっくり吸収される、就寝前や食事の時間が空く時におススメ
- トレーニング効果を高める最適なタンパク質摂取量は?トレーニング内容で摂取量は変わる!
- 代謝の過程で作られる老廃物、体内から入ってくる有害物質について
- 糖尿病学会のガイドラインは脂質の中身を無視、糖質制限食だけでは不十分
スポンサーリンク
↻2022-04-26