2022-04-17 (Sun)
09:45
✎
アクティブクールダウンの効果を覆すエビデンス
多くの人がトレーニング後にジョギングやウォーキング、ストレッチなどのクールダウンをしているのではないでしょうか。
実際、アメリカのトレーナーの89%がクールダウンを推奨しているようです。
クールダウンには、ジョギングやウォーキングなどのアクティブクールダウンとマッサージやストレッチなどのパッシブクールダウンと言うものがあります。
これまで、アクティブクールダウンにはパッシブクールダウンに比べると疲労に関与する代謝産物の減少や筋肉痛の軽減、心拍数の回復など多くの効果があると考えられていました。
これらのアクティブクールダウンの効果を検証したのが、オランダ・マーストリヒト大学のヴァン・ホーレンらです。
これまでに報告された運動後4時間以降のアクティブクールダウンによる効果を検証したレビューを報告しました。
これらの研究によるとこれまで考えられていたアクティブクールダウンの効果がことごとく否定されているのです。
疲労が取れる⇒×
これまでトレーニングの後にクールダウンをして乳酸を除去することが早期の疲労回復に繋がると言われてきました。
しかし、近年では疲労は乳酸から生じるのではなく、水素イオンの蓄積によって筋肉が酸性(アシドーシス)になることが要因とされています。
アクティブクールダウンによる筋肉のアシドーシスに対する効果を検証した結果、運動から80分後のアシドーシスを低下させる効果は認められませんでした。
アクティブクールダウンによる乳酸の除去効果は期待できますが、筋肉の酸化を防いで疲労回復効果があると言うエビデンスは存在しません。
筋肉痛が減少⇒×
アクティブクールダウンには、筋肉痛による痛みや筋損傷マーカーの減少効果があると言う説は長年トレーニングをしている人にとっていわば常識でした。
アクティブクールダウンが筋肉や皮膚への血流を増加させることで乳酸や筋肉痛の因子の蓄積を減少させ筋肉の修復を促すと考えられていました。
しかし、その後の多くの研究報告でこれは否定され続けました。
2018年に発表された体型的なメタアナリシスでも、アクティブクールダウンによる筋肉痛の痛みや筋損傷マーカーを減少させるエビデンスは示されませんでした。
続きはこちら
↓↓↓
トレーニング後のクールダウンの効果は否定されている!?エビデンスなし、クールダウンをする際に注意したいこと
- 関連記事
-
- インスリン抵抗性は脂肪細胞の貯蔵が限界になると生じる、脂肪の貯蔵力で血糖値は決まる!?
- 筋肉が大きく肥大するのは「筋繊維再生系」と「タンパク質代謝系」によって起こる
- プロテインは長期的な筋力トレーニングの効果を高める!タンパク質はバランス良く摂取しよう
- トレーニング後、プロテイン+糖質による筋肥大効果は十分なタンパク質摂取で代替できる
- 栄養素は体内の化学反応の材料でバランスが大事、身体は化学反応の連続
- 糖尿病学会のガイドラインは脂質の中身を無視、糖質制限食だけでは不十分
- 筋肉が熱を作る!運動をしなくても熱を発生させるUCP、サルコリピン
- 筋肉の「筋力型」「スピード型」かは、関節のテコ作用やサルコメアの長さによっても決定
- ウォームアップは有酸素運動+軽い筋力トレーニング、特異的ウォームアップで総負荷量増加
- 糖尿病の原因は脂質と言う事実を国と企業が隠している?国が発表する統計では重要な真実が読み取れない
- 筋持久力、筋力の落ち方が早いか遅いかを決定する
- どんなトレーニングをしても筋肉は遅筋化する、サボると速筋繊維が増える
- ピークパワーは最大筋力の30~35%、スポーツでのパワーを高めるには?
- 筋肥大をさせるには「強い力を出すこと」「トレーニング容量を増やこと」が重要、70~80%1RMがちょうどマッチしている
- 人工的に硬くした植物油は危険!?パーム油を消費させる為にトランス脂肪酸を悪者にしたのかも
スポンサーリンク
↻2022-04-17