2022-04-11 (Mon)
10:37
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ストレッチのエビデンス
運動前にしっかりとウォームアップをすることは、怪我の予防やパフォーマンスアップに繋がります。
身体を動かす準備が整っていない状態では、身体動かしにくい状態でありトレーニング効果も落ちてしまいます。
ですが、ウォームアップには、重要な注意点もあります。
それは、ストレッチについてです。
一般的にストレッチを運動前に行うことは怪我の予防になるので推奨されています。
実際にストレッチによって怪我を予防できると言うエビデンスもあります。
しかし、良いことばかりではなく、残念なエビデンスも存在します。
それは「運動前のストレッチは筋力トレーニングのパフォーマンスを低下させる」と言うものです。
2004年カナダ・SMBJ病院のシュライアーらは、世界で初めてストレッチが筋力やジャンプなどの瞬発力を低下させることを明らかにしました。
シュライアーらの報告以降、多くの研究者によって同様の結果が報告されました。
2006年に欧州スポーツ医学会が2010年にはアメリカスポーツ医学会が「運動前のストレッチがパフォーマンスアップを低下させる」と言う公式声明を発表しました。
さらにアメリカ・ルイジアナ州立大学のネルソンらは「トレーニング前のストレッチは筋肥大の効果を減少させる」と報告をしています。
ストレッチには、種類があり大きく分けると静的ストレッチと動的ストレッチがあります。
筋肉をゆっくりと伸ばして静止させるのが静的ストレッチです。
スタティックストレッチとも言いますが、これが一般的に知れ渡っているストレッチになります。
筋肥大の効果を低下させてしまうのは、この静的ストレッチの方になります。
ネルソンらは、被験者にストレッチを行った場合と行わない場合で、1RMの60%のレッグカールを疲労困憊まで行わせました。
レッグカールの運動回数をカウントした結果、ストレッチをした場合、運動回数が24%も少なくなることが分かりました。
また、ブラジル・サンパウロ大学のバローゾらはストレッチが運動回数だけでなく、トレーニングの総負荷量も減少させることを明らかにしました。
さらにバローゾらはトレーニング経験のある被験者に対して、ストレッチを行った場合と行わない場合で1RMの80%のレッグプレスを疲労困憊まで行わせて、8セット繰り返させました。
その結果、ストレッチを行った場合、運動回数が18%、総負荷量が23%減少することが分かりました。
これらの報告によると運動前にはストレッチをしない方が良いでしょう。
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