2022-03-22 (Tue)
09:11
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セット間の休憩時間は短時間?長時間?
筋力トレーニングをする人の多くは、どのくらいの重さでどんな器具を使って何セット行うのかなどトレーニングメニューを緻密に考えるのではないでしょうか。
ここで見落としがちなのが、セット間の休憩時間、つまりインターバルの取り方です。
実は筋肥大を効果的にするには、セット間の休憩時間はとても大切な要素になります。
ですが、最適な休憩時間はトレーニング経験の有無、性別などにも左右されるので最適な時間を知るのはなかなか難しいと言えます。
インターバルの時間については、スポーツ科学の分野では短時間派と長時間派に分かれ長い間、議論されていました。
1分程度の短時間派は、筋肥大を高めるとされていた成長ホルモンの分泌を根拠にしています。
ある研究では、ベンチプレスやスクワットを4セット行わせ、セット間の休憩時間を1分、1分半、2分に設定をして運動後の成長ホルモンやテストステロンの濃度を計測しました。
その結果、2分の休憩時間に比べて1分と1分半では成長ホルモンの増加が認められました。
セット間の休憩時間が短い方が、成長ホルモンの分泌が促されて筋肉が肥大しやすいと言うのが常識として定着をしていきました。
ですがその後、成長ホルモンの増加は筋タンパク質の合成作用や筋肥大にあまり関与しないと言うことが分かってきたのです。
2012年マクマスター大学のウェストらは、筋肥大に関与するとされる因子について検証をしました。
被験者が12週間のトレーニングを行った結果、約20%の筋肉量の増加を認めました。
この筋肉量の増加に対する成長ホルモン、テストステロン、インスリン様成長因子などの影響を調べたところ、これらと筋肥大には有意な関連が見られなかったとのことです。
2013年同大学のミッチェルらはウェストらの報告を改めて検証し、同様の結果を報告しました。
これらの結果からトレーニングによる一時的な成長ホルモンなどの増加は筋タンパク質の合成や筋肥大に関与しないと結論づけられました。
「筋肥大は運動単位の十分な動員によって活性化された細胞内機構が筋タンパク質の合成作用を促進させることによって生じる」と述べています。
よってインターバルが短い方が良いと言うわけではないと言うことになります。
では、長い方が良いのかと言うと決してそうとも言えません。
インターバルの長さは、個人差を考慮した方が良いかと思います。
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