2022-03-16 (Wed)
12:56
✎
筋肥大はバーベルの重さで決まらない
筋肉を大きくする為に、日々重いバーベルやダンベルを使った、いわゆる高強度トレーニングを継続している人は多いのではないでしょうか。
未だに筋肥大をさせるには、高強度トレーニングをしないといけないと考えている人もとても多いかと思います。
ですが、現代のスポーツ科学では低強度のトレーニングでも高強度のトレーニングと同等の効果が出ることが分かっています。
筋肥大の効果は、トレーニングの容量である総負荷量によって決定されるのです。
総負荷量が同じであれば、低強度でも高強度でも同じ効果になると言うことです。
この事実は、日々大変な思いをしてトレーニングをする人にとっては嬉しいことかもしれません。
総負荷量とはトレーニング容量であり、筋肉がどれくらいの仕事をしたのかと言うことです。
総負荷量は、トレーニング強度(重量)×回数×セット数によって決まるとされています。
この根拠となるエビデンスの一つになったのが次の報告です。
2010年、カナダにあるマクマスター大学のバードらはトレーニング経験者を2つのグループに分け、1RMの70%以上の強度でのレッグエクステンションを行いました。
一方のグループは1セット、もう一方のグループは3セットをそれぞれ疲労困憊まで行いました。
終了後、両グループの平均負荷量を測定したところ、1セットのグループの平均総負荷量は942kg、3セットのグループは2184kgでした。
さらにトレーニング後のタンパク質の合成率を測定すると、総負荷量の高かった3セットのグループが有意に増加を示しました。
この結果から強度が同じでもセット数を多く行い、総負荷量を高めることで筋肥大の効果が増大する可能性があると言うことが示されました。
低強度のトレーニングの場合も総負荷量を高めれば筋肥大効果が高くなるのかと言うことが検証されています。
今度は、1RMの90%の高強度レッグエクステンションを行うグループ、同30%の低強度で行うグループに分けて、それぞれ疲労困憊まで行いました。
その結果、高強度グループのトレーニング回数は24回であり総負荷量は高強度トレーニング710kgに対して低強度は1073kgでした。
筋タンパク質の合成率では、総負荷量の大きな低強度グループがより高い増加を示しました。
この報告によって低強度トレーニングでも回数を多くこなし、総負荷量を高めることで高強度と同等の筋肥大効果を得ることができることが示されました。
このことから筋肉を大きく肥大させるのは、強度ではなく総負荷量を高くすることが重要と言うことが言えるのです。
続きはこちら
↓↓↓
- 関連記事
-
- 副腎ケアは米国抗加齢医学会の常識、副腎ケアのステップ4つ
- 五大栄養素とは?炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミンとミネラルの主な機能
- カゼインプロテインはゆっくり吸収される、就寝前や食事の時間が空く時におススメ
- 「乳酸=疲労物質」は誤り!乳酸は糖の仲間でありエネルギーになる、乳酸性作業閾値(LT)とは?
- 代謝の過程で作られる老廃物、体内から入ってくる有害物質について
- メカニカルストレスを高めるフォーストレプス、エキセントリックは強い刺激になる
- 女性に期待できる8つの筋力トレーニング効果!
- ストレッチは筋力トレーニングの効果を低下させる、総負荷量を減少させ筋肥大効果が低下
- 健康を支える常在菌、私たちは微生物と共存している
- タンパク質に関しての迷信5つ「とにかくタンパク質を摂取する」は危険かも
- ピークパワーは最大筋力の30~35%、スポーツでのパワーを高めるには?
- 男性特有の問題:テストステロン低下が引き起こす症状10選と予防法
- ネオニコ系農薬は無毒性量以下でも発達障害や不妊など大きな影響を及ぼすかもしれない
- マスク社会は脳の感受性期に影響を与えるのではないか、新しい生活様式は大人目線
- ビタミンについて、生命活動に欠かせないが摂り過ぎにも注意!脂溶性、水溶性
スポンサーリンク
↻2022-03-16