2022-01-07 (Fri)
09:19
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認知行動療法には二つのルーツがある
認知行動療法は、もともと複数の専門家によって発展してきた技法です。
その中心を担ってきたのは、精神科医のアーロン・ベックと心理臨床家のアルバート・エリスです。
ベックは、うつ病の患者さんを診る中で共通する認知の歪みを発見しました。
一方でエリスは、強固な思い込みを変えるとカウンセリング効果が劇的に高まることに気付きました。
二人が開発した技法と心だけでなく行動に焦点を当てる行動療法が組み合わさって認知行動療法が誕生しました。
認知行動療法は、認知と行動を変える様々な技法の総称と言えます。
青年期のエリスは、ひどい人見知りでした。
しかし行動療法を応用して100人以上の女性をナンパしました。
「人に拒否されたら御しまいだ」と言う信念を自ら打ち破ったのです。
ベックの認知療法は、うつ病を短期に治し再発を防ぐ治療法として世界中で広がっています。
日本でも精神科で受ける場合には、保険適応が認められています。
エリスの論理治療法モデル
エリス博士が考案したABCモデル。
ある出来事をきっかけに生じる不合理な信念に反論。
すると過剰な感情が適切な感情に変わる。
A
嫌な出来事
友人との待ち合わせで30分待たされた
B
不合理な信念
時間を守るのは人として当然
→ 人として当然と言う根拠はない。相手には相手の考えや都合がある。
適切な感情 → 遅れることもあるよね
C
過剰な感情
失望、怒り、イラ立ち
心の奥にあるスキーマに反論をしよう
理論によって用語の違いがありますが、いずれも基本の考え方は同じです。
ベックの認知療法では、頭にパッと浮かぶ思考を自動思考と言います。
「いつも失敗ばかり」「つまらない人だと思われている」と言った評価結果についての認知です。
その奥に隠されているのが心のスキーマです。
「常に完璧でなくてはならない」「人に嫌われてはいけない」と言ったより頑なな信念、評価基準の認知です。
スキーマは、あなたの人生観、価値観と深く結びついています。
まずは、自動思考の修正に取り組み、適応的な自動思考が身に付いたらスキーマの修正に挑戦をしていきます。
頑なな信念が変わると良きることがずっと楽になります。
ベックの認知療法モデル(うつ病認知療法)
価値観にも似たスキーマが心の奥にあるとする考え方。
出来事とそれい対する解釈の誤りをきっかけに自分を辛くする自動思考が浮かぶ。
スキーマ
自分には愛される価値がない
自分は一生孤独だ
↓↓↓
自動思考
私と会うのは相手にとってどうせどうでもいいことなんだ
↓↓↓
抑うつ症状
落ち込み
自己嫌悪
不安
わけももなく悲しい
スキーマと自動思考を修正すると楽になる!
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