2021-12-31 (Fri)
09:25
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気分と事実は違うもの
私たちは、普段物事を認知と言うフィルターを通して見ています。
ですが、そのことが意識に上ることはありません。
なので自分の目で映ることを事実と信じ込み客観的な事実に気付きにくくなっているのです。
認知に偏りがあるとささいな出来事でも落ち込んだりして辛くなってしまいます。
認知行動療法では、この傾向を認知の歪みと言います。
認知の歪みは、気分だけでなく行動にも影響を及ぼします。
いつも失敗ばかりと感じている人は、新しいことに挑戦できなくなり、ますます落ち込みやすくなると言う悪循環に陥ってしまいます。
認知の歪みが憂鬱な気分の原因になっています。
問題は性格ではなくて思考のパターン
認知の歪みがあると周囲の人の言動も客観的に捉えにくくなります。
「仕事ができない人間だと思われている」「私といても楽しくないんだ」と言うように他人の思考を勝手に解釈してしまいます。
また、自分の将来に対しても悲観的になりがちになります。
「この先もどうせ良いことなんてない」「結婚もできず、孤独に過ごすことになる」など根拠のない予測を立ててそれを信じてしまいます。
このような自分の現状だけでなく、他人や将来に対してもマイナスの解釈をしてしまうのは決して性格のせいではありません。
精確ではなくて自分自身の思考のクセです。
認知が原因で心が辛くなっているのです。
では、認知によって気分や行動がどのような影響を受けるのでしょうか。
状況
初めての仕事で上手くできなかったことがあった。
初めて任されたプロジェクトでクライアントの希望を丁寧に聞くことができなかった。
認知
私はいつも失敗ばかり、私にこの仕事は無理。
普段は求められた仕事をしっかりとできているのに、いつも失敗ばかりと決めつけている。
その結果、自分の能力を実際よりも低く評価してこの仕事は無理だと考える。
気分
みじめ、無力感、傷ついた
能力の低さに悲しくなり、みじめな気分になる。自分に価値があるとは思えず、無力感、ゆううつな気分になる。
行動
経験のない業務など、失敗しそうな場面を避ける。
頑張れば上手くできるとはとても思えず、仕事に積極的に取り組めない、新たな業務も極力避けるようになる。
就職して数年以内の新社会人は、特にこのような認知の歪みが起こりやすいです。
ミスをして注意されると自分自身が否定された気持ちになることもあります。
自分の思考パターンを変える方法としては、問題に落ち着いて対処できる友人を見つけることも良いでしょう。
困った状況でどんな自動思考が浮かんでいるかを聞いてみると良いかと思います。
ほどよい思考パターンの参考になります。
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