2021-12-16 (Thu)
10:30
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時間と心理学
人は、感覚や知覚を用いて時間を計っていると言っても過言ではありません。
時計を視覚を用いて確認したり太陽から発する日光の長い短いや気温などを感じて時間間隔を得ています。
何らからの疾患でこれらの感覚が奪われている場合、時間感覚も侵害されてしまい、そのことがとても苦痛に感じるようになります。
単調な生活では、それを顕著に感じてしまうことが多いです。
時間評価
時間評価には、二つの種類があります。
一つは、過去にあった出来事において、どのくらい時間が経っていたか評価すると言う「追想的時間評価」(RTE)があります。
これは思い出を振り返る感じです。
もう一つは、現在進行形の事態がどれだけ経ったか評価すると言う「予期的時間評価」(PTE)があります。
RTE
RTEは普通、客観的な時間評価、つまり時計の進み具合と一対一に対応します。
時計の時刻と言うのは、社会的なものであるので社会的な条件付けに由来する時間評価がRTEであると言えます。
例えば、今日は10時に出勤して21時からジムに行って23時に家に帰って来たと今日一日あったことを振り返っている時の時間評価はRTEになります。
思い出して「あぁだった」「こうだった」と考えています。
PTE
PTEは、必ずしも時計の進み具合とは一致しなく非常に感覚的なものです。
PTEは、まさに今進んでいる時間において判断をします。
例えばコーヒーを淹れる為にお湯を沸かす。そのお湯が沸くまでに目の前で5分待つ状態がそれにあたります。
ステレオタイプ
私たちは他の人と接する時、その人から得られた情報である個人の情報、行動の様子、仕草などからその人がどのような人物であるかを推測し判断をしています。
この推測や判断は、個々の経験や知識から形成される認知の枠組みであるスキーマによる固定的な認識の仕方が影響をしています。
そして、このスキーマによる固定的な認識によって、その後の知覚にも影響が出ます。
例えば、「ピアノを習っている生徒」がクラスにおいて教師に「ピアノを習っている子供はリコーダーも上手に吹ける」と言ったスキーマがあったとします。
ピアノを習っている生徒が音楽の授業でリコーダーの演奏で失敗した場面と成功した場面の両方があった時に、その教師は成功場面を強く知覚し、失敗は気に留めることなく、成功したことを強く記憶に残します。
このようにスキーマによって刺激に対する知覚が選択的に行われることを選択的知覚と言います。
スキーマには、人物の特徴に関するもの、認識や経験によるものなど様々ですが、その中でも「関西出身」と言う情報から「話が面白い人だろう」「小学校の先生」と言う情報から「子供好きに違いない」と言った出身地や職業、役割などに関して持つスキーマのことをステレオタイプと言います。
ステレオタイプには、「血液型がA型」を例に挙げると「きめ細かで丁寧」と言ったポジティブなものもあれば、「神経質でいつもピリピリしている」と言ったネガティブなものもあります。
特にネガティブなステレオタイプを偏見と言います。
また、このステレオタイプは自己成就予言にも影響を与えると考えられます。
自己成就予言とは、得た情報を元に期待を形成し、その期待に沿った行動を意識的・無意識にとることで期待が現実となる現象のことです。
ステレオタイプによる選択的に知覚された情報から期待が形成されると、その結果にも影響が出る可能性があります。
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