2021-06-01 (Tue)
10:04
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人は比べることで自分の位置を確認している
「他人と自分を比べるな」「自分らしく」などとよく言いますが実際、人は他人と自分を比べずにはいられない生き物です。
人には、対人比較欲求があり、常に他人と比較することで自分の立ち位置を確認しているのです。
自己評価には、特定の基準に照らし合わせて判断をする絶対評価と他人と比べて比較する相対比較があります。
自分と他人を比べるのは、後者の相対評価のうち社会的比較と呼ばれるものです。
人は、周りの人と同じレベルにあると安心することができるのです。
周りから自分が浮いていたり、目立つような状況にあると精神的に落ち着かずに不安に駆られてしまいます。
他人と比較して自分も周りと同じだと言う社会的真実性が得られれば安心して過ごすことができます。
その為に人は、常に社会的比較をしているのです。
同期が一番比較されやすい
社会的比較をする際、人は自分とほぼ同じレベルの相手と比べようとします。
これを類似志向の社会的比較と言います。
自分よりも目上の上司や先輩とでは能力に差がありすぎて比較にならないからです。
最も好ましい比較対象は同期の人たちになります。
自分と同じレベルなら極端に差がつくことは少なく、それによって自尊心が傷つくリスクも少なくて済みます。
同期の人は、自分が安心感を得る為には最適の比較対象となるのです。
ですが、比較対象は自分の自信の度合いによって変わります。
自信がある時や向上心がある時は、上方比較と言って自分よりも上の相手と比較をします。
反対に自信がない時は、自尊心を守り優越感や安心感を得る為に自分よりも下の相手と比較する下方比較が多くなります。
自信は他人との比較から生まれています。
心理学者のモースとガーゲンは、学生に自己評価のアンケートを課す実験を行いました。
後半からは、机の向かいにも参加者が現れ、この参加者がデキそうな人の場合は後半の自己評価が下がり、デキなさそうな人の場合は自己評価が上がりました。
デキそうな人と比較すると自信がなくなり、デキなさそうな人と比較すると自信が生まれる
人は、常に他人と比較をし自分の立ち位置を確認して安心しようとしているのです。
人と比べるなとか自分らしくいろとか言いながら、実際人は常に他人と比べているわけです。
泣ける○○を好む心理とは?
無性に泣きたい気分の時、あえて悲しい映画を観て大泣きしたらすっきりした経験はないでしょうか。
これはカタルシス作用によるもので意識的に泣く行為で精神バランスをとっているのです。
また、他人の不幸話を見聞きすることで自分は幸せだ、と感じる人も多いと思います。
これもまた、下方比較によって自分の立ち位置を確認して精神的なバランスをとっている為です。
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