2020-08-27 (Thu)
16:00
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排便をスムーズにしてがんを予防する
野菜や穀類、豆類に多く含まれている不溶性食物繊維は、大腸で水分を吸収して便のかせを増やします。
便の量を多くしやわらかくするとともに腸壁を刺激するので排便をスムーズになり痔や便秘の改善に役立ちます。
また、便が早く排出されるため大腸が有機物質にさらされる時間も短くなりがん化へのリスクが軽減されます。
便の量が増えることで発がん物質の濃度が薄まるという効果も期待です。
さらに積極的に有害物質を吸着して排泄する作用がありますので、食品添加物や農薬、ダイオキシンなどの排泄にも有効だと考えられます。
腸内の善玉菌を増やし悪玉菌を減らす
食物繊維は腸内の善玉菌であるビフィズス菌や乳酸菌を増やしてくれます。
相対的に有害物質を生み出す悪玉菌の増殖が抑えられて腸の調子が良くなりさらに快便になります。
また、不溶性食物繊維はかみごたえがあります。
かむ刺激によって脳が刺激され脳細胞が活性化すると言うメリットもあり肥満や虫歯予防にも効果が期待できます。
不溶性食物繊維を多く含む食品
干し柿
ライ麦
えんどう
(グリンピース、揚げ豆)
ささげ
セルロース
ほとんどの植物に含まれていて便秘の解消や大腸がんの予防効果が期待できます。
植物の細胞壁の主成分で代表的な食物繊維です。
食事で摂取する多くはこのセルロースになります。
ほとんどの食物に含まれていますが、特に米ぬかや小麦のふすまなど穀類の外皮に多く含まれています。
腸内ではほとんど分解されず便の傘を増やして便通を促してくれます。
また、ダイオキシンなどの有害物質を吸着して体外に排泄してくれます。
便秘の解消や大腸がんの予防に効果が期待できます。
セルロースを多く含む食品は、よくかまなければならないのであごを丈夫にして唾液や胃液の分泌を促してくれ消化を助けてくれます。
早食いを防ぎ満腹感が得ることができるので肥満の予防にもなります。
ヘミセルロース
ヘミセルロースは、ペクチンやセルロースとともに植物の細胞壁を構成しています。
米ぬかや小麦胚芽、そばの種子やとうもろこしの外皮などセルロース同様、穀類の外皮などに多く含まれています。
ヘミセルロースは、自然な排便を促す、有害物質の排泄を早める、大腸がんや生活習慣病を予防する、腸内善玉菌を増殖させるなどの働きがあります。
ペクチン
ペクチンには、水溶性のものと不溶性のものの2種類があります。
不溶性のペクチンは、細胞壁に多く含まれセルロースを包んでいます。
穀類の外皮を食べればセルロースやヘミセルロースとともにペクチンも一緒に摂ることができます。
穀類の外皮は、食物繊維の宝庫とも言えます。
果物のペクチンは未熟なうちは不溶性ですが熟してくると水に溶ける水溶性に変化します。
リグニン
植物の細胞壁を構成する成分の一つです。
細胞と細胞をくっつける役割をしていて木質素とも呼ばれています。
もともと木材などのかたい組織に多く含まれていた成分で野菜にはあまり見られません。
豆やふすま、ココア、チョコレート、いちご、ラズベリーなどに含まれています。
リグニンの重要な働きは、胆汁の主成分である胆汁酸を吸着して体外に排出することです。
胆汁は肝臓で作られ十二指腸に分泌されます。
脂肪の消化と吸収と言う役割を果たしたあと小腸下部から再吸収されて、再び肝臓に戻ります。
リグニンに限らず食物繊維には、この胆汁酸を吸着し再吸収を妨げる作用があるのでコレステロールを減らす作用があります。
胆汁酸の原料は、コレステロールですので胆汁酸が排出されるとコレステロールも減少します。
動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの予防や治療に役立ち肥満にも良いです。
大腸内では全く消化されないので便のかさをふやす効果があります。
腸に刺激を与えて自然な便通を促してくれます。
さらに発がん物質を大腸で素早く吸着して排出するため大腸がんの予防にも役立ちます。
グルカン
グルカンはブドウ糖を含む多糖類の総称で代表的なものにキノコ類に多く含まれるβグルカンがあります。
βグルカンは、強い抗がん作用をもつことで知られています。
また、体内に侵入した異物を破壊する作用をもつマクロファージやナチュラルキラー細胞、キラー細胞などの働きを活性化させてくれます。
免疫機能を高めてがん細胞の増殖を抑える働きをします。
免疫機能を正常にする作用があるのでリウマチやアレルギーなどの自己免疫疾患、様々な慢性疾患、生活習慣病の予防や治療に役立つのではないかと期待されています。
きのこだけでなく酵母にも含まれています。
アルギン酸
不溶性のアルギン酸カルシウムはひじきやのりなどの海藻類に多く含まれています。
アルギン酸ナトリウムには胆汁酸を吸着して排泄する作用があるので胆汁酸の原料であるコレステロールを減らす作用があります。
また、ナトリウムを排泄する働きもあるので便秘解消や大腸がんにも有効と考えられます。
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