2020-07-03 (Fri)
14:18
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血液凝固や凝固抑制にバランス良く働く
天然のビタミンKには、食物に含まれるK1と微生物から作られるK2があります。
私たちの腸内でも細菌によってK2が合成されます。
ビタミンKの役割は、血液凝固因子(プロトロビン)の合成を補酵素として助ける作用です。
怪我をして出血をしても、そのうち血が固まるのは血漿に含まれているフィブリノーゲンと言う物質がフィブリンと言う固体に変化するからです。
この血液凝固過程で働くプロトロンビンと言う物質を肝臓で作る時に必要なのがビタミンKです。
また、血液は出血以外では正常に流れていないといけません。
ビタミンKには、血栓や血管内での血液凝固を防ぐ働きもあります。
ビタミンKは、血液の凝固と凝固を抑制する働きを必要に応じてバランス良くこなしています。
また、ビタミンKをしっかりと摂取することで月経過多や潰瘍による出血、血尿や血便など出血を伴う病気の緩和にも役立ちます。
カルシウムの代謝にも関係
ビタミンKは、カルシウムの代謝にも関わっていて骨を丈夫にしてくれます。
ビタミンDは必要に応じて骨から血液中にカルシウムを送り出したり尿中に排出されないように再吸収する役割を果たしますが、ビタミンKは、骨からカルシウムが排出されるのを抑制します。
ビタミンKが不足してしまうと骨に十分なカルシウムが取り込まれず骨が脆くなってしまいます。
新生児や乳児は欠乏症に注意
ビタミンKの所要量はわずかでほとんどは腸内細菌によって合成されます。
欠乏症はあまり心配はありませんが、新生児や乳幼児は注意が必要です。
腸内細菌の働きがまだ未発達なのでビタミンKを補う必要があります。
特に母乳で育てている母親がビタミンKが不足していると赤ちゃんも不足してしまいます。
新生児のビタミンK欠乏症は、新生児出血症と言われて便が黒っぽくなる消化管出血が起こったり
まれに頭蓋内出血があるので気をつけなければいけません。
大人になって欠乏すると怪我や内出血などの出血時に血液が止まりにくくなったり鼻血が出やすくなったりします。
また、カルシウムの代謝が上手くいかず骨が脆くなります。
大人の場合は、腸内細菌からビタミンKが作られるので不足は基本的に心配はありませんが
長年抗生物質を飲んでいる人は腸内細菌からの供給は期待できません。
過剰症の心配はないとされていますが、通常の50倍以上摂取した時は貧血や血圧低下、嘔吐、呼吸困難などの症状が出ることもあります。
ただし普通に食事からの摂取は問題はありません。
野菜や発酵食品、肉、乳製品、卵、果物に豊富
ビタミンK1は、主に緑黄色野菜に含まれています。
特に太陽の光がたくさん当たった外側の部分に多く含まれています。
野菜以外では、海藻や緑茶にも多く含まれています。
また、ビタミンK2は、乳製品、肉類、卵、果物に含まれ納豆などの発酵食品には特に多く含まれています。
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